2023年05月26日

あなたの知らないビジネスの世界探訪 -vol.2-

すべらない人材育成。できる人は人を育てられない

スマートソーシャル代表の酒井です。

このページは、私が日々の活動の中で出会った面白いビジネスやトピックを紹介する場となります。

世の中にはさまざまなニーズが存在し、多種多様なビジネスがあります。業界内の人々にとっては当たり前のことでも、業界外に出てみると知らないことばかりです。

第二弾は、「すべらない人材育成。できる人は人を育てられない」。すべらない人材育成 加藤じゅういちさん(以下、じゅういちさん)のご紹介です。

「すべらない人材育成」で知られるじゅういちさんが手掛けた営業研修トレーニングが話題となっています。彼は急成長を遂げたホットペッパーにおいて、全国の営業向けの研修を一手に引き受け、全国千人の営業にできる営業のノウハウを伝授しました。一体、どのような経歴を持つすごい人なのでしょうか?実は、彼は営業が全く苦手で、むしろ絶対に避けたいと思っていた武蔵美出身で、クリエイターの道を歩んできたのです。

加藤 じゅういちJUICHI KATO

武蔵野美術大学卒。株式会社リクルートで21年半、広告制作ディレクター、広報室、商品企画、マーケティングなどに従事したあと、ホットペッパー事業で、即戦力営業を育てるトレーニングパッケージを開発。その経験を踏まえ、外資ディーラーにセールストレーナーとして転職後、ベンチャーの役員を経て、2017年に独立。2019年に法人設立し、現在は株式会社Loophole japanの代表取締役を務めながら、自ら、クライアント企業の人材育成や、企業理念の浸透の支援を推進している。

すべらない人材育成。できる人は人を育てられない

こんにちは!私は加藤じゅういちです。武蔵美を出てリクルートに入社した変わり種です。

今日は宜しくお願いします。ぜひ営業人材育成のこと教えてください。

私が営業のことを酒井さんに語るのはおこがましいですが、今日は私の気づきをお持ち帰りください。

楽しみにしてます。

酒井さんもご存知の通り、当時のリクルートは、営業力が強く求められる環境でした。私は入社する際に「営業だけはしない」と宣言していたんです。

そもそもクリエーターだしね。

ところが、なんと初日からいきなり営業研修で飛び込み名刺獲得キャンペーンだったんですよ。

当時のリクルートでは普通だね。むしろ通常運転。

しかし、まさかの展開で、最初の約束と違うと、人事にクレームを言いに行ったんです。

そっちの方が驚くわ。

その時、人事からの名言(迷言?)を聞いたんです。「営業に行くのは営業を観察すること。それがあなたのため、ひいては会社のため」という言葉です。

当時の人事っぽいよな。大体、ケムに巻かれてなんとなくその気になっちゃう。

正直、分かったような分からないようなでしたが、まぁ人事の意図があるのかなと思い、それを信じて営業現場を観察し始めました。

そこがすごいよ。普通は心折れるか、こっそりサボるよ。

営業現場では、売れる人たちと売れない人たちの違いが鮮明に見えました。売れる人たちは、相手のことを観察し、そのニーズを理解して、相手をうまくリードしていました。

売れない加藤さんが人を観察してたんだね。笑

一方で、売れない人たちは、相手を観察することなく、自分の思い入れやアイデアだけでアプローチしていました。具体的に言えばパンフレット上から順番に読み上げるだけです。

聞いてる方も辛いんよね、そのシュチュエーション。苦笑

売れる営業の中には法則があることに気づきました。ただし、その法則を実践している人たちは、自分自身がその重要性に気づいていないし、それゆえに教えることもできないんです。

観察してたから気づいたのか!

売れている営業が自然にやっていることがあるんです。それがとても重要な要素なのに、当の本人はその重要性に全く気づいていないんです。

人間、自分ができることはみんな当たり前にできると思うからわからないのかな。

まさに、その法則を自然にやりすぎているんです。彼ら自身はその重要性に気づいていないかもしれませんが、それが彼らを成功に導いているのです。そしてできる営業はその法則を教えることはできない。

非常に興味深いね。自分もなんで売れてたのか、全くわからない。

ですので、誰か先生(教えるプロ)が必要なんです!(キッパリと)

それがじゅういちさんだ!

ありがとうございます。笑
一言で言えば、人は勝手には育たないんですね。育てられないといけない。育つためには、誰にでもできることを細かくひとつずつ炙り出し、習得させて、自分にもできるという小さな成功体験を積ませて次に進ませることが重要です。それぞれのステップが組み合わさって、最終的に目標を達成できるようになるのですね。

当たり前だけど、染みるな。

組織や教育の場でも、このようなステップごとの習得と成功体験を重視します。個々のメンバーが自分の能力を発揮し、成長できる環境を整えることが組織の発展につながります。

確かに目の前の仕事に埋没しがちな、うちみたいな規模(社員24人)の会社は働きながら教えるって難しいもんだよね。

私は他の人を育てるときにも、その人に合った課題やチャレンジを設定し、細かく一つずつ習得させています。そうすることで、彼らも小さな成功体験を積むことができます。
成功体験が積み重なることで、彼らは自信をつけ、より高いレベルの成果を生み出せるようになるんです。
組み合わせてできるようになると、その人の成長がさらに加速します。個々のスキルや経験が結びつくことで、素晴らしい成果を生み出せるんです。

具体的なエピソード聞きたいな。

娘が保育園児の頃、スケートを始めたんですが、うまい人の滑り方を見せて「こうしたらいいよ」と教えても、初心者にはなかなかうまくできないんですよね。最初にいきなり氷の上で滑らせると転んでしまって、スケートが嫌いになるパターンです。

僕にとってゴルフそれだわ。笑

そうですか。笑
スケートの場合は、最初に手すりや棒などを使って滑らずに立ったり中腰の練習から始めて、その後は具体的なポーズを教えて段階的に進めるんですね。一つずつ習得させて自信をつけさせる方法ですね。

なるほど、段階的なアプローチが必要なんだね。

全く色んなことが一緒で、自分はドラムをやりたかったんですが、叩けるドラマーに聞くと「こうやるんですよ」といきなりデモンストレーション始めちゃってドヤ顔で決められて。笑
真似ても絶対にできないんです。両手両足が全てバラバラに動いているようにしか見えない。叩けないとドラムが嫌いになるパターンです。

ゴルフと一緒だ。

まずこれができていないと次のステップに進めない、基本中の基本があるんです。
ドラムの場合も、スケートと同様に動作を細かく分解するのが教え方でした。ドラムスクールに行ったら、たった2つの型を覚えることから始まりました。まず、右手でシンバル、右足でバスドラムを叩く型(①)、次に右手のシンバルと左手でスネアを叩く型(②)。この二つの型をそれぞれ覚えたら、これを交互に繰り返すだけ! なんと、レッスンを始めて、3分もしないうちに、ドラムが叩けたのです!!!これには生徒である私自身が一番びっくりしました。

細かく分解して、一つずつをこなしてゴールに行くんだ。
まず最初にやることがあるんだね。

営業も分解してみると、いろんなことがわかりますね。営業の場合、一番基礎となる基本動作は相槌、うなずき、共感、賞賛なんですよね。これらができないと、いくら商品説明を練習しても売れないということがわかりました。

確かに。まずはお客さんに聞いてもらえないと話にならない。相槌って大事だよね。私も相槌だけでやってたって、今気がつきました。笑

営業以外もビジネスの世界は一緒ですね。
私のいた制作の部署のトップクリエイターも同じことをしていました。お客様のウケの悪いクリエイターは、いきなり作品を見せるだけでしたが、お客様は何が何だかわからない状態になってしまいますよね。
トップクリエイターは、まずお客様に概念やアイデアをシンプルなキーワードで印象づけて伝えることで、お客様にイメージを共有させるようにしています。その後に作品を見せることで、お客様との共感を生み出すことができます。そして、お客様の感想を引き出し、適切なフォローアップを行うことで、かなりの受注に繋げてました。

お客さんがいないと単なる趣味の作品だしなあ。

まとめますと、客観的な視点から行動を分解してこれをやらないとダメっていう基本的な基礎的な要素を洗い出す。
その要素をステップ式にして習得させていく。これが成功への近道であり。これがすべらない人材育成の重要なひとつであるということです。
そしてそれができると行動変容が起こり、昨日と違う明日を目指すことができるようになり営業は売れ始め組織はイノベーションが起こり始めます。

人を育てるのは難しいと思っていましたが、今日は目から鱗でした。
そして、困ったら加藤じゅういち先生に頼めということですね!

ぜひその時は宜しくお願い申し上げます!

今回の発見

  1. 人は、勝手に育つわけではない。
  2. 育てるには先生が必要。自分ができる人は教えられない。
  3. 細かく分解してステップごとに進ませてイノベーションを起こす。

この方法を取り入れ細かく分解し成長を促せばあなたの会社もホットペッパーのように成長できるかもしれない。

信じるか信じないかはあなた次第です♪

Guest Profile

加藤 じゅういちJuichi Kato

武蔵野美術大学卒。株式会社リクルートで21年半、広告制作ディレクター、広報室、商品企画、マーケティングなどに従事したあと、ホットペッパー事業で、即戦力営業を育てるトレーニングパッケージを開発。その経験を踏まえ、外資ディーラーにセールストレーナーとして転職後、ベンチャーの役員を経て、2017年に独立。2019年に法人設立し、現在は株式会社Loophole japanの代表取締役を務めながら、自ら、クライアント企業の人材育成や、企業理念の浸透の支援を推進している。

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