2023年11月16日

あなたの知らないビジネスの世界探訪 -vol.16-

華僑三世であり経営者/社員の経験を生かした経営フリーコンサルタントから見た、現在の日中のビジネスとは。

 
世の中にはさまざまなニーズが存在し、多種多様なビジネスがあります。
業界内の人々にとっては当たり前のことでも、業界外に出てみると知らないことばかりです。

今回は、中国でフリーコンサルタントとしてご活躍されている金鋭さんに取材いたしました!
日中を跨ぐ仕事をされているからこそ、政治や歴史・人種を超えた「心」にフォーカスを当てて活動をされている金さん。
現在の中国のビジネスから日本のビジネスとの違い、コンサルティングにおける難しさやゴールまで金様のご経験を含め、弊社の社員が詳しくお話をお伺いしました。

ぜひ、内容を楽しんでみてください♪

※この記事は、國本さんの協力を元に、スマートソーシャルが開発したインタビュー生成AIサービスを利用して85%をAIで作成しています。
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金 鋭KIN EI

日本生まれ日本育ちの華僑三世。1989年リクルート入社後新規事業の立ち上げで上海に。1999年経営参加し独立。2007年よりインテリジェンスとの合弁会社である英創で経営者として活躍し、現在はフリーランスの経営・組織・人事コンサルタントとして活動している。写真家としても活動。

中国でフリーコンサルタントという生き方を選ぶ理由

中島

初めまして。本日はどうぞよろしくお願いいたします!

金さん

よろしくお願いいたします。

中島

早速なのですが、金さんは現在どんなお仕事をされているのでしょうか?

金さん

現在、中国でフリーコンサルタントとして活動しています。
日本企業の中国での事業展開を経営コンサルタントの立場から支援していますね。

中島

中国で活動されているのですね!
どういった経緯で中国で経営コンサルタントとして活動なさっているのでしょうか?

金さん

元々私は華僑三世で、中国人として日本で育ちました。
新卒で1989年にリクルートに入社し、7年目の時に中国での新規事業の立ち上げで、3年程上海で仕事しました。
そこから日系企業へ向けて人材紹介を行う企業に共同経営者として経営参加し、
2007年よりインテリジェンスとの合弁会社である英創で経営者として仕事をしていました。
そして、現在はフリーランスのコンサルタントを行っています。

中島

では長らく中国でお仕事をされていたのですね!

金さん

フリーランスとしては7年目になります

中島

なぜフリーコンサルタントとして活動しようと思ったのですか?
その決断の背後にある動機や経緯はなんだったのでしょうか?

金さん

子供の時に将来何になりたいかと父に訊かれた時「医者か料理人になれ」と言われたんです。
手に職を付ければ国籍や民族関係なくどこでも働けるから、と。
「サラリーマンになってもお前は厳しいぞ」とも言われていました。

中島

えぇそうだったんですか!

金さん

実際、サラリーマンから社長になってやるという野望を持っていました。
サラリーマンを10年やって良さや辛さ、その後に経営者の苦しさや面白い所を経験して、
人生100年時代の中で色んな形態で働きたいと思っていました。

中島

なるほど。実際にサラリーマンから経営者になったからこそ色んな業務形態の良さ悪さ両面を知れたわけですね。

金さん

自分が市場でどのくらいの価値があるのか、培ったノウハウやナレッジが通用するのか?
組織としてよりも個としてマーケットに出てみたかったんです。
やはり現場が好きという気持ちもあったので、フリーランスとして現場の最前線に出ることにしました。

中島

そういう経緯があったのですね!
確かに、フリーランスなら現場で関わる事が出来ますもんね。

中島

フリーランスコンサルタントとしての最も充実感を感じる瞬間はいつですか?

金さん

お客様に変化の兆しが見えてきた時に充実感を感じます。
現在、顧問としての経営・組織・人事コンサルティングと人材育成プロジェクト、総経理塾(経営者の塾)の3つを行っています。
自分の仕事を通じてお客様にどんな気付きを与えられたか、気づきとその後の行動が良い状況になっていく過程が分かる瞬間が嬉しいです。

中島

なるほど。
確かに、自分の影響で相手が良い状況になってくれたら自分も嬉しいですもんね。

変化と進化が激しい中国でのビジネス

中島

日本企業向けに中国でご活躍されている金様ですが、現在の中国のビジネスに関してどう感じますか?

金さん

現在の中国は、DX化も進んで経済も市場もどんどんと大きくなっている印象です

中島

確かに今中国の経済成長は目まぐるしいですよね。

金さん

祖国である中国へ初めて行ったのは小学生の頃だったのですが、当時の中国はまだまだ発展途上でした。
人民服と人民帽子を被って自転車に乗って、レストランは20時に閉まり街灯も暗かったです。
しかし、96年に上海に行った時は、毎日いろんな所で工事をしていて高速道路やコンビニが出来て街が変化していくのを肌で感じていました。

中島

変化をリアルタイムで金様は感じていたんですね。

金さん

その当時は発展して行く中国に、日本で培ったナレッジやノウハウを提供できないかなと思っていました。
しかし、現在の中国経済は日本経済と対等レベル、それ以上になっている状況を見ているとビジネスは大きく変化していると思いますね。

中島

日中でのビジネスはどこが根本的に違うのでしょうか?

金さん

中国のビジネスは、動きながら考えて行います。
動いてみて上手くいかなかったら直ぐに修正していく部分、スピード感が中国のビジネスにはあります。

中島

なるほど。動きながら考えるからこそ、経済面の成長が早かったのかも知れませんね。

金さん

そうですね。中国は、生活の変化・マーケットのダイナミックさであったり、変化と進化が激しい国だなという感覚はあります。
そんな変化が激しい中国という国で、どう戦っていけばいいのか?考えながら毎日奮闘しています。

中島

中国で生活していて、どういった部分で変化を実感しますか?

金さん

一番わかりやすい例で言うと、ここ4・5年は現金を持ち歩いてないです。財布はずっと引き出しに入ってます。

中島

へえ~!まだまだ現金社会の日本じゃ考えられないですね。

金さん

DX化も進んでいますし、全てが携帯で完結できて便利になりました。
やはり経済が成長するってことを考えると、生活が大きく変わりますよね。
現在中国では、前に無かったようなサービスやツールがどんどん出ています。

中島

携帯で全て完結ですか、、!羨ましいです

金さん

その分携帯を無くすと大変ですね(笑)

中島

確かにそうですね(笑)

中島

他にビジネスに関しての日本と中国の違いってどういったものがありますか?

金さん

日中での大きな違いは、コミュニケーションの仕方ですね。
日本では推測と期待・テレパシーのコミュニケーションが一般的ですが、中国は直接的で感情的なコミュニケーションをします。

中島

日本は察する文化だとよく言いますよね。

金さん

そうですね、中国でのビジネスでははっきり伝えなければならないと言う事ですね。

金さん

働く事に対しても価値観が違います。物事の考え方や倫理観・労働観が全く違う事を理解しておかないと、
相手とギャップや齟齬が生まれるので中国でのビジネス展開は大変だと思います。

中島

コンサルタントとしてこの違いにどう立ち回っていますか?

金さん

私は日本生まれ日本育ちの為、日本の価値観が理解できます。
とはいえ、私自身は中国人でもあるので、中国の価値観も理解できる立ち位置に居ます。
両者の意見をくみ取れるからこそ、上手く使い分けながらコミュニケーションを行っていますね。

最後は情熱

中島

コンサルティングの難しい所はどんな事だと思いますか?

金さん

コンサルティングの仕事は、お客様にデータや資料等を提示・示唆しながらサービスを提案して課題解決に向けて動くのですが、
当たり前ですが一番最後はお客様が決めるんですよ。

金さん

決断にさらに寄り添うために更に一歩踏み込めないかなと思って、会社の中に入り、
パートナーとして一緒に課題解決に向け考えていく事を目指してやっています。ここが難しいですね。

中島

どういった部分が難しいのでしょうか?

金さん

我々は課題解決できそうなサービスを提案しますが、最後はお客さんの覚悟と意思が必要です。
だからお客様の「どうにかしたい」という覚悟があるかどうか?に委ねられるので、そこは難しいなと思います。

中島

なるほど。そうですよね、提案しても相手が決めなければ進みませんもんね。

金さん

やはり、コンサルティングって結局は外部の存在で、中立的なファシリテーターなんです。
覚悟や危機感・決断を醸成はしますが、最終的にはお客様がやってみたいと思えるかどうかサポートをして検証を重ねていくしか無いですね。

違う人種や政治の中で、ずっと変わらない人間の心

中島

金さんが中国で活動していて何か目標にしていることはありますか?

金さん

大義としては中国で奮闘している日本企業を応援することです。
さらに大きくなると心の国境を超えようというのが私のライフプランでありポリシーですね。

中島

心の国境ですか!

金さん

心の国境は超えられると思いませんか?
今でももちろん思っているのですが中国に来た当初は、日中関係を良くしたいなと思っていたのですが、やはり長い歴史の中で様々な利害関係が複雑に絡むので関係性を良い方向に持っていくのは難しいです。
世界でも紛争はなくなりません。でも、心の国境は越えられると思うんです。

中島

そうですね。人種は違えど人間の心って同じですもんね。素敵です。

絶えず課題が出続けるコンサルにおける成功の秘訣とは

中島

数多くの企業をコンサルティングしてきたと思うのですが、成功の秘訣は何だと思いますか?

金さん

コンサルティングに置ける成功の定義が難しいですが、やり続ける事が成功する秘訣ですね。
私のコンサルティングはサービスが対経営や対組織で、組織はステージや人数によって課題も変化していきます。
企業が成長すればするほど課題が更に出てきます。組織に対して絶えず課題解決をしていく事が成功の秘訣だと思います。

中島

そうですね、商品なら形を変えることで課題の解決が出来ますが、組織となるとそうはいきませんもんね。
やり続けることで、課題に対する対処法も身につきますしね。

金さん

そうですね。課題に対する引き出しは多くなっていきます。
それこそ、私は経営者と社員のどちらの立場も経験しているので、どちらの背景も理解した上で変化する組織の課題をサポートしています。

中島

経営者と社員どちらの気持ちにも寄り添って提案できるのは、金様だからこそですよね。

期待を少しだけ上回る事

中島

顧客との信頼関係を築くためのコツやアプローチは何ですか?

金さん

期待を上回る仕事を行う事ですね。とはいえ相手が求める期待値に合わせるのは難しいですよね。
でもそれを予想して、超えることが信頼に繋がると思います。

金さん

だからこそ、相手に対して期待し過ぎるのもお互い良くないと思います。
お客さんが期待している事を予測し、期待を少し上回る事が信頼を生みますね。

中島

確かに相手に期待しすぎてしまうと、その分落胆してしまいますよね。上回り過ぎも良くないのでしょうか?

金さん

やりすぎも良くないことがあります。
世界一接客が良いという航空会社のサービスも、接客が良いとは思わずに過剰なサービスだと思う人もいます。

中島

確かに良かれと思ってしたことが、ありがた迷惑だったりしますもんね。

金さん

それこそ中国との違いに通ずるのですが、中国は良い意味で過剰なサービスをしません。
飲食店の店員さんにショーケースの上から身を乗り出して注文訊かれたりしますね(笑)

中島

日本じゃありえないです(笑)

金さん

それこそ、日本のサービスは「おもてなし文化」だったりするのですが、
TPOで使い分けないといけないのは日中を跨ぐ仕事をしていて感じます。

中島

なるほど。相手の期待値を上回る為に何が必要ですか?

金さん

相手の期待値を上回る為に必要なものは「情熱」です。
仕事をすればするほど段々とこなれてきて、常に相手の期待に沿った形で80点のものを出せるようになります。
少し頑張れば100点は行くのですが、100点越えをする為には「情熱」が必要なのだと思います。

中島

確かに。仕事に慣れてしまうと早いのですが、その一つ一つに情熱はかけなくなってしまいますよね。

金さん

人間は限界を直ぐに作ってしまいます。
だからこそ情熱が無いと、限界を超えようとも思えなくなる。

中島

限界を超えるのが情熱ですね…腑に落ちました。

これからの中国、これからの日本のビジネス

中島

今後数年間で中国のビジネス環境やコンサルティング業界に予測される変化について、
金様の見解を教えていただけますか?

金さん

中国のマーケットは絶えず進化しています。中国は人口が多く国土も広いので、未開発の土地がまだ沢山あります。
そこに向けて更に市場は広がっていくと予想していますね。

中島

中国はまだまだ伸び続けるんですね、、!

金さん

世界中が中国のマーケットを獲りに来ているので、その中でさらなる事業戦略を考え投資を行うのか、
それを正しく見極めないといけないです。これから中国市場はどんどん難しくなっていきます。

中島

その中で要求される質がどんどん高くなって更なる競争になりそうです。

金さん

中国も経済が成長して商品やサービスの品質が良くなり、安かろう悪かろうという中国企業が少なくなっています。

中島

そうなんですか!日本製は品質が良いと昔から言われてきましたが、品質で売っていた日本企業は大丈夫でしょうか?

金さん

日本の市場は成熟してますよね。
人口も減少しているので、この先は良いものがより良いものになる事で市場が成長していきますね。

金さん

それか日本企業もグローバル市場に踏み出すのかですね。
SONYの創設者である盛田さんがウォークマンをアメリカ市場に出すぞという時、
盛田さん自身がアメリカに行き訪問営業して売っていたそうですが、
そういう風に外国に踏み出すのも成長する鍵です。

中島

訪問営業ですか…!今、そこまでする日本企業あるんでしょうか…!

金さん

日本は、戦後から復興して食べるには困らない時代になりました。
居心地が良いからこそ、日本人は外国に出ない、出たくないと言う気持ちがあるのかもしれないですね。

中島

日本経済が外国から取り残されていくのを感じて怖くなりますね。

金さん

今の若い人たちが次の新しい時代を作っていく事に期待しています。
その為には、海外に行って自分の目で海外を見ることが大事かなと思います。

中島

そうですね。私たちがこれからの日本の未来を頑張って作っていきます。
本日はどうも有り難うございました!

金さん

有り難うございました!

今回の発見

  1. 中国は進化・変化が大きく現在はDX化が進んでおり、携帯1つで生活が完結している
  2. 相手の期待値を見極めて、少しだけ期待を上回る事が信頼に繋がる
  3. 日中のビジネスの違いは、物事を考えながら進めるという部分。またコミュニケーションの仕方や価値観も違う為、明確に相手に伝える必要がある

今回の記事いかがでしたでしょうか?

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