2024年09月02日

あなたの知らないビジネス探訪-vol.28-

スポーツ団体から、気候変動対策に向けての小さな一歩を!山下修作さんに注目。

 
世の中にはさまざまなニーズが存在し、多種多様なビジネスがあります。
業界内の人々にとっては当たり前のことでも、業界外に出てみると知らないことばかりです。

今回は、株式会社SEA GlobalのCSO 山下修作さんへ取材!
サッカーを中心としてスポーツ団体が抱える課題を解決する活動を展開しています。
販促領域からスポーツ業界へと転職を行った山下さん。スポーツ業界ならではの苦悩ややりがいを教えてくださいました。
また、スポーツ界ではサステナビリティの推進にも力を入れていると言います。現在行っている気候変動対策に向けての活動もお伺いしました。

※この記事は、AIのスペシャリスト國本知里さんの協力を元に、
スマートソーシャルが開発したインタビュー生成AIサービスを利用して85%をAIで作成しています。

スマートストーリー

山下修作 YAMASHITA SHUSAKU株式会社SEA Global取締役CSO。1975年生まれ、北海道大学農学部農業工学科卒同大学院農業研究科修了。2001年に(株)リクルートに入社し営業・編集・企画・新規事業立ち上げ・WEBマーケティング等に携わる。2004年 (株)SEA Global取締役に就任。他、一般社団法人沖縄スポーツ関連産業協会理事。スポーツ庁、日本スポーツ協会などでの国際委員、各競技団体におけるマーケティング面での戦略立案、実行サポート等。講演、セミナー登壇など多数

 

 

地域に愛される日本のスポーツ団体

中島

山下さん、現在はどんな事業をされていらっしゃるのですか?

山下さん

現在は、リクルートのサッカー部に入っていた3人と一緒に株式会社SEA Globalを経営し、
色々なスポーツ団体のお手伝いをしています。会社は今年で22期目になります。

中島

サッカーが大好きな仲間と立ち上げたんですね!具体的にはどのような業務をされているのですか?

山下さん

ファンクラブの運営や協賛(以下:パートナーシップ)の制度をお手伝いしたり、
企業の新規事業のサポートなど、スポーツをキーワードにお客様が抱えている課題に対して解決をしています。

中島

どういう部分で皆さんお悩みを抱えているのでしょうか?

山下さん

やはり、スポーツ団体を運営するにあたって「稼いでいくこと」に課題を抱える団体や企業が多いと思います。
例えば、プロスポーツだといかにお客さんにチケットやグッズを買って貰うのかであったり、ファンクラブだと
どうやって入会者を増やすのかだったりですね。

山下さん

一番ご相談いただくのは、パートナーシップについてです。
企業に協賛して頂きスポーツ団体のパートナーになって貰うのですが、
どうやってパートナーを集めるのかで悩んでいる団体が多いです。

中島

パートナーシップ制度は何となく知っていますが、あんまりよくわかってないかも・・・。
実際にどのような形でチームや団体をサポートしているのですか?

山下さん

スポーツ試合を見ていると、看板広告がスタジアムやアリーナにあると思うんですが、そういった露出の仕組みを考えたり、
看板露出以外のパートナーシップの仕組みを考えたりします。単なる露出だけでなくて、
様々な工夫をして、チームや団体の価値を上げるためのプラン作りをチームや団体の方と一緒に考えて進めています
協賛に納得して頂くのには時間を有しますが、一度納得して頂ければ効果や魅力を感じていただくことも多いです。
地域にあるスポーツ団体って基本的に株式会社なのですが、単なる会社ではなく地域の公共財にもなっていて、地域を代表して戦っているし、地域を活性化する為にも役に立っていますね。日本のスポーツ団体は、企業や地元、行政等色んな協力で支えられているなと感じます。

中島

私の地元にもスポーツ団体があって、毎試合家族全員で応援してました!
スポーツって人を1つにする力がありますよね。

 

顧客の感情に直接触れられるスポーツ業界

 

中島

現在の会社に入られた当時は、どういった仕事をされていたのでしょうか?

山下さん

サッカー団体のファンサイト運営を業務委託で請け負っていて、日本全国を回ってファンの取材をしていました。
それがスポーツ関係の仕事の第一歩目でしたね。そこから、プロモーションの仕事や海外展開の提案を任せていただいたり、
パートナーシップセールスなど幅広く業務が広がっていきました。

中島

サッカーを中心に仕事の依頼を頂いているという事で、元々サッカーの仕事に興味があったのですか?

山下さん

小学校からサッカーをしていて、社会人になってからも会社のサッカー部にも所属していましたが、それまでの人生において
サッカーは趣味でした。新卒の時すらも、趣味だったサッカーを仕事にするとは全く想像していなかったんです。

中島

ええ!意外です。
サッカーを仕事にしようとするきっかけがあったんですか?

山下さん

社会人2年目の時に日韓ワールドカップがあって、その時に日本中がサッカーを通じて元気になった気がしたんですよね。
地域がスポーツをきっかけに盛り上がっているのを感じ、国も人種も関係ないスポーツの交流って素晴らしいと思いました。
そこから、自分も感動に寄り添うようなスポーツに関わる仕事をしたいなと思い始めましたね。

中島

なるほど。スポーツが持つ力を再確認して仕事にしたいと思うようになったんですね。
リクルートではスポーツとは関係ない仕事をされていたのですか?

山下さん

そうですね、リクルートではウェブサイトや雑誌などの媒体を通して顧客と接点を持つ仕事をしていました。
とても楽しく仕事をさせて貰ってはいたのですが、媒体だと最終的なカスタマーの喜怒哀楽に直接触れられないんですよね。

山下さん

スポーツでは顧客の笑顔や感動を直接見ることができる為、この人たちの笑顔・喜びの為に仕事が出来ていると思えるじゃないかと感じ、スポーツの仕事をしたいと思い起業しました。
実際に、誰かの役に立っていると仕事を通じて意味を感じられるのは良い所だなと思います。

中島

活動中に壁にぶつかったことはありますか?

山下さん

スポーツ業界は基本的に1年サイクルなので、リクルートから転職したばかりの頃は慣れるのに大変でした。
リクルートでは、雑誌は週刊でウェブサイトは随時のサイクルで回しており、
仕事の仕込みから結果が出て振り返るまでのサイクルが早く回せました。
スポーツ業界では、一年間の中でこの時期はこれをするというのがある程度決まっていて、
この時ああしておけばよかったと反省して、よし次に活かそうと言っても1年後にしか活かせないので、
サイクルの違いに慣れるまでは苦労しました。

中島

それは大変そうです・・・。どのようにしてその困難を乗り越えたのですか?

山下さん

1年目は暗中模索でもがいていたのですが、2シーズン目には前シーズンの経験を活かせるようになり慣れていきました。
スポーツ業界の1年目は、全く戦力になってなかったなと思います(笑)恥ずかしながらリクルートではある程度、
仕事が出来ている方だと思っていたので、仕事が出来ない自分とのギャップにも悩まされました(笑)

中島

業界が変わると、まずは業界のルールに慣れるのも大変ですもんね。
2シーズン目からは順調だったのでしょうか?

山下さん

そうですね。それからは、周りが新しい環境を応援してくれる人ばかりで恵まれていたので、
どんどんと新しい事にチャレンジすることができました。

中島

サイクル以外で、他業界と比べてスポーツ業界はどう違いますか?

山下さん

スポーツ業界とはいえ、基本的に普通の企業と同じです。スポーツ業界志望の就活生にも他業界との違いを訊かれますが、
特に変わるところはないので、自分の好きなことを学び、武器として仕事へ活かすようにアドバイスしています。

中島

なるほど。他の業界と大きく違う訳ではないのですね!
お話を伺っていて、山下さんは楽しんで仕事をされている印象がありますが、
山下さんは仕事に対してどういった思いで取り組んでいるのでしょうか?

山下さん

「誰かの役に立っている」をずっと信じて仕事をやってきましたし、今もやっています。
ふと、自分の仕事も自分だけでなく周りのおかけだと感じますね。周りからは遊んでいるように思われています(笑)
ですが、それが幸せなのかなとも思います。もちろん結果を出しますが、仕事をやる姿が楽しそうなのは大切ですよね。

中島

素敵です。自分の行ったことで誰かを幸せにしたり役に立っていたり、それが一番のやりがいですよね。

 

スポーツとサステナビリティ

 

中島

今後のスポーツ業界でキーワードになることはありますか?

山下さん

サステナビリティが重要なキーワードになると思います。
関わっている団体を通じて、気候変動の影響を実感しています。
例えば、大雨による試合中止が2018年以前よりも5年で5倍に増えていたりします。

中島

5倍ですか!?スポーツは外で行う事が多い分、気候変動の影響を直に受けやすいですよね。

山下さん

そうなんです。気候変動に対して、小さくでも行動を起こすことが大切だと思います。
私が気候変動に関して興味を持ったのは、2017年に 国連が世界の40ほどのスポーツ団体へ呼びかけをして
「スポーツにおける気候変動対策」の議論をドイツのボンにある国連で行ったのですが、
そこに私も参加させて頂いたのがきっかけです。

中島

国連で話しあったんですか!凄いです。
国連の議論では、どういう結論になったのでしょうか?

山下さん

スポーツ団体は、試合をするために移動で飛行機を使いますし、夜に行う試合では照明も使うので電気も使います。
気候変動対策でCO2削減をするためには、究極を言ってしまえばスポーツをやらないのが良いとなりますが、
それは本質的ではないので、しっかりと自分たちがCO2を削減する努力をしつつ、
自分たち持っているポテンシャルをしっかり発揮し気候変動対策ができるのかを話し合いました。
その結果、自分が憧れているスポーツ選手や好きなチームが気候変動対策を言動で示せば、ファンへの影響力が発揮でき、
多くの人が気候変動対策への意識をかえ、取り組んでくれるきっかけになるのでは
ないかという結論になりました。

中島

なるほど。子供だと、憧れの選手の真似をすることが多いですもんね。
垣根を越えて世界中にファンがいるからこそ、その影響力を使うのも面白いです。

山下さん

ヨーロッパでは、スポーツ団体がサステナビリティに配慮していないとスポンサーが降りることがあります。
株主などから、環境の事を考えていないスポーツ団体に協賛をするなと言われると協賛の継続ができなくなったり、
新規のスポンサーも取れなくなってしまうので、ヨーロッパではサステナビリティを重要視している団体が多いです。

中島

へえ~!ヨーロッパは、既に環境への配慮が重要視されているんですね。

山下さん

アジアにもその波が来るのではないかと考えています。
スポンサーが居なくなってしまうと団体の存続に関わるので、単に環境問題だけではなくなってしまうんですよね。

中島

なるほど。日本のファンは、試合後のスタジアムを自らゴミ拾いしているというイメージがあります。

山下さん

そうですね。ワールドカップの際に、日本ファンのゴミ拾いは有名になりましたよね。
私も凄く素敵な活動だと思います。

山下さん

国連での会議の際に、日本のファンはスタジアムを家のように考えてゴミ拾いを行うなどの活動をしていると報告しました。
とはいえ、これだけだとファンの善意や日本文化に頼ってしまっており、企業側から見れば、
団体として気候変動対策しているとは言えないので、一歩踏み込んだ他のサステナビリティ活動も広げたいですね。

中島

確かに、ゴミ拾いは観客の動きであって、団体側が促している訳では無いですもんね。

山下さん

世界の色んな産業から見れば、スポーツ界で排出しているCO2って少ないんですよ。
スポーツ界の排出ガスを削減するのも大事ですが、スポーツの影響力を使って多くのサポーター、そして多くの市民に意識変革、
行動変容を促すことが重要
だと思っています。

中島

今現在、既に行っている活動とかってありますか?

山下さん

昨年は関わった、あるスポーツ団体の公式戦が1000試合以上あるのですが、その試合全部で実質再生可能エネルギーに切り替えて
CO2をゼロにするという事も行いました。このような感じで、少しずつ気候変動に対してアクションを増やしていきたいです。

中島

今後の活動に注目していきます!本日はありがとうございました✨

山下さん

ありがとうございました!

今回の発見

  1. パートナーシップ制度など、稼ぐ事に課題を感じているスポーツ団体が多い
  2. スポーツ界のサイクルは基本的に1年で回っているところが多い。
  3. 現在、スポーツ界でも気候変動対策が行われはじめている。ヨーロッパでは既にその動きが盛んで、日本にもスポーツ団体の存続に関わる位に影響が出るかもしれない。

今回の記事いかがでしたでしょうか?

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